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ピアノ運送会社のトラックが停まっている。車中をのぞくと、お兄さんが座ったまま眠っていた。窓を開け放して、姿勢よく。今日はそこまで暑くないといえ、風もなく、湿度は高く。お兄さんはすこしの汗もかかずすやすや眠っている。

マポロ3号『PPPPPP』3巻が大学の書店にあった!2巻のときは置いてなかったのに!

ジャンプ系作品の新刊、今はほとんど電子で買っていて、紙で買っているのは『PPPPPP』だけ。なぜか、と問われると難しい。音楽モノだからかしら。絵が好き、というのも捨ておけないけど 。音楽モノは紙で読んでいるのが多い。

音楽も体感するものだから、触りながら読める、めくると音のする、においのする、ほう、を選んでいる……?

『PPPPPP』はまさに、体験させるピアノを奏でるラッキーが主人公だものね。こじつけかな。
いまだに小説は紙で買うことがほとんどだし、あながち間違ってもいないのかも。紙で読んでいるほうが、あちら側を精密に想像できる。脳に、血が巡りやすいような感覚。

エッセイや論説は意外と電子でも読みやすかったりする。これは距離を置いて読んだほうがいい(と私は思っている)ものだからかしら。

 

音上家の六つ子(主人公・ラッキーの兄弟)は演奏で“ファンタジー”をみせます。それはおそらく、聴衆のほとんどが体験できるもので、大きく、とてもすべてを把握できないようなもの。

ラッキーはピアノを弾くことで、聴衆に景色や記憶を追体験させます。なんと、父親にはたかれた頬の痛みまで体験させてしまうんです。でも、それにはみえる人と、みえない人がいるよう。

そして、私たち、読者は、分け隔てなく、六つ子の演奏もラッキーの演奏もみえるんです。同じものをみられるようになるの。

小説では叶わない。漫画だから叶うこと。漫画の愛してやまないところだわ。