「子どもの頃の読書体験(できるだけ昔の記憶)」をリアクションペーパーで書くよう指示があった。
千葉幹夫(編著)『よみきかせおはなし名作 3 アンデルセン童話』成美堂出版(2005)
この本に収録されている「ある ははおやのはなし」が好きだった。
大きくて、あらがえない、かなわない、なにか。それはたぶん、みえなくて、さわれなくて、知らない。
それは、きっと、きらきらしていて、とてもきれいなんだろう。そういうものが、あるんだ。
私をいつか連れていくのは、天使じゃなくて、死神なんだ。
そう思っていた。
この童話集シリーズ(?)は挿絵の担当者が豪華。(同じシリーズでイソップ童話もあって、それも持っている。ただ、イソップ童話は小さいころからあんまり好きじゃなかった。たぶん、説教くさいから。)
「ある ははおやのはなし」は石黒亜矢子の絵だった。
子守唄を所望する夜、いばらを抱く母親、涙で真珠の目を取り出す母親、老婆と髪を交換する母親。
私は魅入られた。絵を見るためだけに、何度もそのページを開いた。傷つき、美しい目も黒髪も失ってなお、彼女はうつくしかった。むしろ、失っていくほど、魅了された。
繰り返し読んでいたせいか、お母さんに「そのお話が好きなの?」「こわくないの?」と訝しまれた記憶もある。(母親が子どもをうしなう話だ。幼稚園児の娘が何度も読んでいれば心配もするだろう。妹はこの話を怖がっていたし。)
手元に本がなくとも、10年以上の月日が経とうとも、私はうつくしい彼女の姿を、鮮明に思い出すことができる。
三つ子の魂百まで、とはよくいうものだわ。アンデルセンの中でいっとう好き。
他なら、「すずの兵隊」「雪の女王」「白鳥の王子」「人魚姫」「ナイチンゲール」「沼の王の娘」。
あまり読んでいないのに、アンデルセンは好きなものが多い。
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幼稚園児のころから好んでいる絵本をたくさん思い出して楽しい。
千葉幹夫(編著)『よみきかせおはなし名作 3 アンデルセン童話』成美堂出版(2005)
エロール・ル カイン『白猫』(中川千尋訳)ほるぷ出版(2003)
ペロー童話, エロール・ル カイン(絵)『シンデレラ または小さなガラスのくつ』(中川千尋訳)ほるぷ出版(1999)
グリム童話, エロール・ル カイン(絵)『いばらひめ』(矢川澄子訳)ほるぷ出版(1978)
アストリッド・リンドグレーン(著), マリット・テルンクヴィスト(絵)『夕あかりの国』(石井登志子訳)徳間書店(1999)
スズキコージ『エンソくん きしゃにのる』福音館書店(1990)
グリム童話, フェリクス・ホフマン(絵)『おおかみと七ひきのこやぎ』福音館書店(1967)
西内 ミナミ(著), 堀内 誠一 (絵)『ぐるんぱのようちえん』福音館書店(1966)
レイナー・サセックス (著), デイヴィッド ハイアム(絵)『マジック・アップル まほうのりんご』成星出版(1998)
(あともう一冊、『3びきのくま』も。検索にかけてもうちにあった本が出てこない。お母さんが職場に持っていているらしいので、一旦持って帰ってきてとお願いする。)
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結局、小学校1年生か2年生の時に読んだ、『若草物語』のことを書いた。
(…)当時の私は内戦のこともキリスト教のことも、その頃の文化も知りませんでした。だから、彼女たちの暮らしのひとつひとつを夢見るようにページをめくりました。あのころ、活字は、私を未知の世界に連れて行ってくれました。(…)―――